どんなお方ですの？花屋の女将に聞かれて、浮かんだのは、書いた言葉、優しくて、感受性が豊かで、いろんな表情。けれど言い切れないな「芸能人の方です」うなずいた彼女。ではできるだけ大きいのを、１１時までに、と引き締まった顔。
浅川の河原。空は台風一過で蒼一面。黄色い蝶々がてふてふと舞い上がるのがみえて、ふっと肩が楽になったようで。時間に迎えた花束は、わあっと華やいで個性的。女将さんも笑い顔。
秋葉原は人だかり、スーツに汗ばんだ首も苦しい。ネクタイを外した僕に「今日は長丁場になりますよ、久しぶりに」と上機嫌の店員。花束は後ほど本人にと聞いて抱え込むようにしていると、まひなちゃんがステージ。
驚きは言葉を探し、あわてる自分に突っ込む余裕もない。とりあえず透明感と言ってみて、ほんとうの、とくわえてみたけどそれが何を意味するのかわからない。混乱は胸の奥にと思うんだが効かない、嬉しいのか苦しいのかわからないままに、風景しか撮らないから広角のキャノンを向ける番がきた。手が震えているのがおかしいけれど、とまらない。
「緊張してる？」なに？はっきり聞こえたから。答える言葉は出ないけれど、わかっていたことがある。この人に惹かれたのはこれなんだ。感受性とか優しさとか言ってみたけど、天音まひなと言う女優は、いろんな事がみえているんだ。そしてこれしかない、ってやり方でそれを伝える。自分を飾るって風でもなく。
カメラを抱えたまひなちゃんのフォロワーのみなさん。みんな得意技駆使。ポージングを決める天音まひな、まったく圧倒されるほど。”愛してるよ”って言葉なく示しあう幸せと楽しみ。それは本当にリスペクト。そしてみんなのそれぞれ、に違う笑顔の天音まひな。ふぅ。ため息と小さく、拍手は終わらない。
今度は出来る。胸叩いて４０ミリのレンズ。「アップだよ」と言ったか言わないか？今は自分の番だ。かわいいね、綺麗だね。それは自分の言葉だ。人のことは、全部は知れない。駆け引きと誤解と決め事ばかりの生活、でも誰かとふれあうことに意味が無いなんて、誰にも言わせない。
花束は渡せた。ずっと中2の、初恋の相手に対してるみたいな、ありがとうも言えない怪しさももどかしかったけど、勇気は湧いた。最後にサインして貰ったとき、笑う事も出来た。そして24時間後も3日たってもふっとまひなちゃんの余韻を感じ続けている。会いたかったから、逢えてよかったとか言うそれ以上。iPadのなかの上手くない写真、でもその笑顔に癒やされています。まひなちゃん、ありがとう。幸せと安らぎは今も。いつも可愛いをありがとう。また、あいにいきます。花束を持って。
